書くツール。

道具。

 小説に限らず、ブログの下書きだったり、覚書だったり、ちょっとした文章を書く機会は少なくない。そんなとき、どんなツールを使うといいんだろう、もっと使い勝手のいいアイテムはないものか、そんなコトをよく考える。
 なんだかんだで、結局変わらないようなところへ落ち着くことが多いのだけど、使い勝手はどうだろう、相性はどうだろう、自分の知らなかった使い方、とか、やっぱり自分にとっての新しいモノは気になるので、ふとした拍子にツール探しの旅に出ちゃうのだ。うん、ネットの海にね。

 今回は、そんな話の備忘録。

はじめてのパソコンとネット。

 Windows95が出た頃に初めてパソコンを買った。
 その時、最初からバンドルされていたのは『一太郎』
 当時はワープロソフトと言えば一太郎だった。これで文章を書くのだな。それはわかったんだけど、初心者には操作がなかなかに難しいし、立ち上がるまでに時間がかかった。今ならそういうモノだとわかるけど、パソコン自体があまりよくわかっていないままだったので、結局、notepadが活躍していた。たまにワードワッドが立ち上がったりもした。

 パソコンを買うに至った理由は、ふたつ。

 ひとつは、インターネット。好きなゲームのサイトとかいうモノを見たい。推しのためならなんのそのってヤツ。

 そしてもうひとつが、ワープロ、ワードプロセッサの容量が少なかったから。
 小説をぽちぽちと書いていたけれど、ワープロだと原稿用紙20枚分も記憶できない。フロッピーを入れ替え入れ替えしながらじゃないと見返せない。思った以上に不便だった。

 Windows95狂騒曲なんぞもあって、パソコンってワープロより凄そうだと気になりだしたら止まらなかった。使えなかったら高い買い物だけど、幸いにも、鬱って辞めた退職金があったのだ。

 スペックの見方もなにも知らなくても、なんか数字がでかい方がいいんだろうと、買ったのが上の写真のPC9821。最初に立ち上げた時に、win3.1と95を選択できたりもした。ガイドブック的な本も用意して、さあ使って見ようって時に画面が違って焦ったりもした。いやこれは、PC98シリーズの画面になってて、win95の教則本と全然違うからだったんだけど。

 ともあれ、未体験の新しいオモチャは楽しかった。インターネットってのに繋げるようになったら、パソコン通信にも興味が湧いた。ワープロにもワープロ通信ってあって、ワープロの時は意味がわかんなかったそれと、要は同じモノだったみたいだけど。
 でも、パソ通に繋いだおかげで、一気にいろいろ頭の中がアップデートされていったのだ。

 まず、ソフトウェアというモノを使うと、とても便利なのだというコト。
 しかし、それには手順や決まりがあって、勝手にぽいぽいゴミ箱に入れてはいけないというコト。
 圧縮解凍という仕組みがあるコトやら、画像を見るにもソフトが要るコトやら、いろいろいろいろ。

 最初に使って見たのが、超老舗の有名ソフト『秀丸』だった。市販のガイドブックでお薦めされていたから必須なのかと思ったんだけど、素人の自分には高機能すぎたのと支払いとかよくわからなかったのとで、ゴミ箱に入れた。テキストアイコンは全部秀丸さんのままだ。焦った。見つけたフォーラムで質問していたら、もう一回インストールして今度は正しい手順でアンインストールしてみて、と教えていただけた。それで直りはしたけれど、失礼極まりないやり取りで今も反省と感謝しかない。関連付けとか、まったく知らなかった頃のミス。

 ともあれ、そういうエディタを使うと便利なのだ、というのは理解した。
 少し覚えてくると、どきどきしながらいろんなソフトを試すようになり、win95の時はずっとEmEditor(当時は確か500円)を使っていた。

ついでに

 当時はNIFTYServeに繋いでいて、最初はガイドブックにCD-ROMで付いてきていたNiftyManager、その後は、NifTermを最後まで使っていた。ちなみにNiftyだったのは、当時持っていたクレカが対応していたから。PC-VANは使えるクレカがなかった。今はNiftyやめて元PC-VAN使っているけども。
 他にも、AUTLAとか、StoryEditorとか、EVMEMOとか、D-Pixedでgifアニメ使ったりとか。
 そしてインターネットにはMSN、最初からバンドルされていたMicrosoftをプロバイダとして使っていて、月三時間でいくら、みたいな感じだった。

エディタいろいろ。

 少しばかり知恵が付いて(?)それからはいろいろなソフトを試した。
 今現在、いちばん高い頻度で使っているのは『Mery』というエディタで、自分のやりたいコトがほとんどこれで事足りている。アウトラインにも使えて、テキストそのものは章ごととかで分割ファイルにならず、ひとつのtxtでまとまってるので、共有ドライブに入れておけばスマホからでもテキストは使える。
 あとWindows95~98の頃から使っていて、買い換えやリカバリの時に必ず入れているのが『TeraPad』と『Nami2000』など。

 小説を書くのにはほとんどMeryを使っていて、他のテキストを開くのには右クリックで「開く」に入れてあるTeraPadが多い。書きかけの小説やテキストをタブで開いたまま立ち上げられるのはとても便利だし、書きかけのところを開いてくれて「あ」ってなる……。

 他にもかなりたくさん試してきたけども、結局は相性でしかないと思う。一太郎とかホントにすごくて新しくなるほど痒いところに手が届いてきた。でも、いくらいろいろ設定しても、なんか最終的には設定で満足しちゃったり、書き続けられなかったりして、残念なコトになってしまう。それはもう、やっぱり相性なんだなとしか思えない。

 その他に、アイデアをカード(カンバン)でまとめているのが『Trello
 他にも、投稿先・作品一覧を最初はここに置いていた。今はこの自分のサイトに誘導出来るので放置している。アイデアはジャンルごとに分けてカードを作り、長くなるものは説明部分に内容を書いている。いや、いた、かも。

 このご時世でテレワークが増え、それに応じたツールやシステムが出て来たおかげで、プラン構築とか応用できるツールも増えた気がする。執筆の目安に使いたいToDo系や、アイデアを書き出すのに便利なカンバンやカード、みたいな。
 ただ少しつらいのは、これはっていうツールのほとんどが有料サイトで、自分ではそこまで使いこなせないだろうから、躊躇してやめてしまうことも多々……。

 そんな中で、最近ちょっと気になってるのは『UpNote
 Evernoteの代替として話題になっているらしい。窓でも林檎でも泥でも使える優れもの。実際に使ってみて、割といい感じだし、月額も安いし買い切りもある。まぁ、買い切りは最初に見た価格の倍になってるが。

慣れと好奇心とアンテナと。

 結局は、慣れって大事。ツールの使い方に手間取って気が散るのは本意ではないし。実は一太郎がそんな感じ。
 それと同時に、もしかしたらもっと使い勝手がいいツールが出て来るかも知れないのだから、アンテナ張るのと、それらに対する好奇心。
 ツールに限らず、こういうのは全てに通ずるとは思ってるので、気をつけていきたいなぁ。